アンガーマネジメント入門講座では、
怒りのピークである6秒をやりすごすために、
自分を落ち着かせる言葉を6秒程度頭の中で唱えるテクニックを
受講生に紹介します。
例えば、出来事の性質や怒りの強度に応じて、
「まぁいっか」「(自分は)これぐらい平気、平気」
「(自分は)大丈夫、大丈夫」等々。

これは、「今なりたい自分」、つまり、「冷静な自分」になるために唱えているわけです。
これまで経験してきた理不尽な出来事の中で、怒りをおさえることに成功した
過去の経験を思い出し、そのときの情景を鮮明に思い出しながら、
「昔、暴言を吐かれたとき、耐えてやりすごしたのだから、自分ならこれぐらい平気、平気」等と、
頭の中で唱え、今の自分も同じようにやりすごせると、自分に言い聞かせると効果的です。

「過去の成功体験」と「今なりたい自分」をつなぎ、過去の成功体験のときの前向きな精神状態を
引き出すものは、「言葉」だけではく、「しぐさ」の場合もあります。
また、この技術(アンカリング)は、怒りをやりすごすときだけに効果的なわけではなく、
過去の成功体験と「今なりたい自分」をつなぎたいときには、同様に使えます。
例えば、
プロスポーツの選手は、過去の成功体験の中でやってきたルーティン(しぐさ)を、
プレイの前に取り入れるケースがよくあります。イチローや五郎丸選手のルーティンは有名ですね。
プロスポーツ選手だけでなく、私たちも日常生活の中で、無意識に、
過去の成功体験の情景を瞬間的にでも蘇らせて、その当時と今とをつなぐ言葉やしぐさによって、
今なりたい自分になろうとしていることがあると思います。
例えば、
「私は、いつもピンチを切り抜けてきた。だから目の前のピンチだってきっと切りぬけられる」
「自分は、あのとき周囲から才能を高く評価してもらった。だから今の仕事もきっと結果を出せる」
頭の中でそう唱えたり、
過去の成功体験の際に着用していた衣服を身に着けたりすることで、
過去の成功体験のときの前向きな精神状態を、「今のこの瞬間」にも引き出そうとしているわけです。