「いじめられる人も悪いのか?」
1 悪い
2 悪くない
3 場合により悪い(場合によりいじめられても仕方がない)

いじめ予防授業で、子どもたちに、上の問いかけをすると、
どれに手を挙げる人が多いと思いますか?

一般的な傾向を言うと、
ほとんどの人は、3の「場合により悪い」に手を挙げます。
そして、「場合により悪い」に手を挙げた人に、
どんな「場合」を思い浮かべましたか?と尋ねると、
「先に嫌なことをされたから」といった趣旨の回答する人が多いです。
もっと突っ込むと、
「いじめという方法でやりかえすことで、先に相手が嫌なことをしたことに気付かせてやめさせたい」
との回答も割と出てきます。

いじめ予防授業を受ける前の段階では、
子どもたちは、先に嫌なことをされたら、
いじめでやり返してもよいと考えており、そうすることで
相手にその嫌なことをやめさせたいと考えている子どもが少なくないわけです。

アンガーマネジメントや脳科学の本をひも解くと、
人は攻撃されると(攻撃されていると感じたときも含む)、
防衛本能として、怒りの感情が芽生え、そのエネルギーを
相手にぶつけて自分の身を守るようにできています。

これは本能なので、アンガーマネジメントや人生経験の中で自分にブレーキを
かける訓練をしてきた人でない限り、誰にでも起きる現象です。
だとすると、仮に先に嫌なことをしたのは自分だとわかっていても、
反撃された瞬間に防衛本能として、怒りの感情が芽生え再反撃の方向で
行動をとることになりやすいわけです。

先に嫌なことをされたから、いじめ返すと、
さらに嫌なことをエスカレートさせてくる可能性が高く、
こうやって報復の連鎖でトラブルが大きくなっていきます。

だから先に嫌なことをされて、イライラ、ムカムカとなっても、
その嫌なことをやめさせたいのなら、
イライラ・ムカムカを相手にぶつけるのではなく、
イライラ・ムカムカの原因となったこと、
例えば「変なあだ名で呼ばれて嫌な気持ちになる」のなら、そのことを
冷静に穏やかに伝える。それでもだめなら教師からそのことを
伝えてもらうといった方法もある。
その方が効果的であることを子どもたちに伝えることが重要だと考えています。
このことは、大人の世界でも全く同じことがあてはまります。
つまり、人生の中でいじめという方法が必要な場面はないのです。

いじめられる人も悪いのか?
その答えは、「悪くない」です。
いじめられても仕方がない子なんて、この世に1人もいないのです。
許されるいじめは一切ないというのが答えです。