ビジネスの世界では、ロジカルシンキング(論理的な思考)で仕事を進めることが
求められており、多くのビジネスマン同士の会議でも、論理的思考として優れた
印象をもった結論が支持されることが多いと思います。
例えば、
社内でA案・B案・C案のどれかを社内で導入しようと検討段階に入り、
社内の事実上の伝統的な運用で、社内アンケートを実施して決めることになったとします。
制度導入の趣旨、A案・B案・C案の説明が記載された全社員向けアンケートからは、
従業員の80%という大多数の人がAを希望し、その理由も論理的に説明がつくものだった。
そして、BC案を選んだ人の理由が直感的で論理的な説明はなされていない。
よって、「Aを導入すべき」という結論です。

一見社内の多くの人を納得させられる結論のようにも思います。
しかし、「そもそも」次のような状況に陥らないように段取りを踏んでいなかった場合、
前提とされていた社内アンケートの信ぴょう性が疑われ、
今回の判断の前提が失われることもあります。

そもそも新しい制度を導入する必要があるのか?(社長が言ったからなんとなくそうなった等)
そもそもA案・B案・C案以外に選択肢はないのか?
そもそもアンケートを判断の根拠にすることが妥当なケースなのか?
アンケート以外の「よりベターな選択肢」はないのか?
そもそも判断に必要な情報が全社員に提供されたのか?
アンケートを取る前段階で、A案を押す空気が社内でできあがっていなかったか?
アンケートを取る前段階で、権威のある専門家や上層部がどの案がいいかについて、
意見を言っていなかったか?
などなど。

このように「そもそも」と前提を疑い、判断の枠組みや選択肢を広げようとする思考が
論理的思考の前に必要な場面が多いはずです。この前提を疑い、前提を解放したり、
前提を修正したりして、より自由な発想で選択肢を広げようとする思考のことを
「ラテラルシンキング」といいます。

仕事の会議などでは、時間に余裕がないことが多く、このようなラテラルシンキングを
していると、残業を抱えたり、他の業務が間に合わないという経験則が共有されていて、
意識的にあるいは無意識的に「前提」を疑うことを避けている場合が多いように思います。
特に、一度下した決断がその後長い間会社の制度となるような場面であれば、
ミスマッチを避けるためにより慎重になった方がよく、ラテラルシンキングのような
「寄り道」を受け入れながら議論を進める余裕が大事なところです。