人が意思決定をするプロセスでは、
以下の3つの影響があると考えられます。
➀本人特有の思考のクセ
➁周囲の人たちの行動
➂今、目の前にいる人の表現方法

➀は、これまで本人の人生の中で経験してきた出来事から
形成された経験則や常識や立場を前提とし、
さらに今直面している出来事を、
そのときの気分や思い込みで認知した事実関係に
あてはめて意思決定をしているということです。
このプロセスでは、自分の立場を考慮しつつ、
経験則や常識を使って意思決定していますが、
立場は人それぞれ違うことも多く、
また、経験則や常識の形成過程が、その人の人生経験に基づくため、
人それぞれ経験則や常識が違うことがありえます。
とすれば、同じ課題を複数の人に同時に検討してもらっても、
人により違う意思決定に至っても何の不思議もないということです。
さらにやっかいなことに、今目の前の出来事について、それを認知した人は、
そのときの気分や思い込みで認知するため、同じ出来事を目撃した別の人は
別の事実を認知することもあります。

➁は、自分を取り巻く環境に存在するルールや、
周りの人たちが取っている行動に同調した方がよいという思考です。
自分の決断が正しいか分析をするのは脳に負担のかかる作業なので、
特に忙しい人ほど、「他人に検討をゆだねる」とか、
「簡単な検討の後の確かめ算」として、周りの意思決定に注目する傾向が
強ように思います。その結果、よく検討分析できないままの意思決定に至る
ことになりかねません。

➂は、今、目の前にいる人から伝えられた情報について、
その表現の仕方に影響を受けて、意思決定に至るということです。
医師が手術の成功率について、次のように回答したとします。
表現方法1「手術の成功率は88%です」
表現方法2「手術は、100人中12人失敗します」
同じことを伝えられているとしても、
多くの人は表現方法2の方が手術に同意しにくいと考えられます。

このように誰もが➀➁➂の影響を受けて意思決定をするリスクがあることを
意識し、今の自分が「認知の歪みや思考の偏り」に陥っていないか
自問自答することが大切です。