私が会社員時代に見てきたパワハラ行為や、
講師や弁護士としてパワハラ相談を受けてきた事例から考えると、
パワハラの大部分が怒りの感情をうまくコントロールできずに起きています。

ただ、少数ながらイライラの感情とは別の意図でパワハラが行われている場合もあります。
例えば、新人のときパワハラ指導で育ったことで、パワハラ指導を受け継いでしまう場合もあります。
この場合は、2パターンに分かれるようで、
昔の上司のパワハラ指導に対して思い出し怒りをしながら、
怒りの連鎖として目の前の部下にその怒りをぶつけている場合もあれば、
昔の上司のパワハラ指導に対する怒りの感情は湧いてこないが、
それが会社の伝統だと思い込んでパワハラ指導を受け継いでいるケースもあります。
前者は怒りの連鎖ですが、後者は怒りの感情とは異なり、
同調圧力や慣例を気にしすぎて思考停止に陥り、
安易に悪しき伝統を受け継いでしまっている例です。

また、「いじめ・パワハラが楽しい」からという人もいます。
この「楽しい」という感覚は、周りの傍観者から承認されたと誤解し
承認欲求がみたされたと錯覚している状態とも言えるため、
的を得た表現なのか議論がありうるところですが、
こども時代のいじめっ子からは割と出てくる話です。
他方で、
大人が「いじめ・パワハラが楽しい」と感じているパターンはこどもに比べると激減しますが、
ないわけではありません。
こども時代のいたずら感覚が抜けきれなかったり、
バラエティー番組の影響を受け非現実のテレビの世界と現実の世界の区別が
できなくなっているのです。

大人のパワハラは、怒りの感情のコントロールの問題が大部分を占めますが、
こどものいじめは、怒りの感情からくる問題のほか、楽しいという感覚も少なくないのが特徴です。